とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』が侮れない1986年の愛言葉

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』パンフレット (18)

出典:1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z「そろばんずく」パンフレット

 

昭和60年代、芸能界に物凄い旋風を巻き起こしたお笑いタレントと言えば、石橋貴明さんと木梨憲武さんのとんねるずさんにほかならない。フジテレビのバラエティ番組「オールナイトフジ」で火が付いて「夕やけニャンニャン」で大ブレイク!そこからは歌にドラマに大活躍されたとんねるちゃん。

そして、1986年には『そろばんずく』で映画初主演に至ったわけです。監督はなんと松田優作さんの主演映画『家族ゲーム』をこしらえた森田芳光さん。当時としては、何ともただならぬ映画であることが容易に予見されたことでしょう。

当時、未成年であった渡隅は、同じくとんねるちゃんが好きだった友人と一緒に、なけなしのお小遣いをかき集めて映画館に観に行ったわけですが。令和元年になって改めて『そろばんずく』を観てみると、少年時代に入ってこなかったストーリーが難なく把握できてしまったりと。それくらい、渡隅のような少年にとっては、ストーリーよりもインパクトの方が重要だったわけです。

特に、インパクトが強かったというか、物凄いパフォーマンスで存在感が半端なかったのが小林薫さん。また、渡辺徹さんや名取裕子さんも色んな意味で殻を破られた印象。

加えて、令和元年にはNHK BSプレミアムで連続テレビ小説『おしん』が再放送されてオシンドロームが再来した昨今。『おしん』の出演者が把握できただけで3名ほど『そろばんずく』にも出演されていたことがわかりました。

ということで、映画『そろばんずく』について独断と偏見でご紹介したいと思います。

 

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森田芳光監督と言えば

松田優作さんが主演された『家族ゲーム』などをこしらえた森田芳光監督。

家族が面と向き合わない食卓の情景は非常に有名ですね。そんなシュールな一幕は、面と向き合わない会議の情景として『そろばんずく』でも展開されました。

 

森田芳光監督が天国に旅立たれた後も、森田芳光事務所の方が活動を展開されている模様。

「そろばんずく」とは何か?

1986年当時、とんねるちゃんが好きだった渡隅少年は、ほとんど「そろばんずく」の意味など考えずに映画館に足を運んだわけですが。そろばん塾をもじった言葉なのかな、みたいな。

ところが、大人になってから「そろばんずく」にしっかりと意味があったことに気づいたわけでして。

何ごとも損得を考えて行動すること。打算的なこと。また、そのさま。勘定ずく。そろばんずくめ。

出典:算盤尽(そろばんずく)とは – コトバンク

 

ただ、森田芳光監督は『そろばんずく』について、以下のように語っています。

「そろばんずく」は単に計算ずくな人間、金銭のことしか考えない、イヤな人間に対しての形容ではなく、キビしい現代を柔らか生き抜く青年たちにとっての、やさしい心のノウハウなのだ。

森田芳光

出典:1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z「そろばんずく」パンフレット

 

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』パンフレット (2)

出典:1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z「そろばんずく」パンフレット

 

ってな感じで、パンフレットの最初のページで『そろばんずく』を真摯に語る森田芳光監督だったわけですが。

とんねるちゃんとタッグを組んだ森田芳光監督の映画『そろばんずく』。兎に角、内容はハチャメチャでインパクトが強かったわけです。

豪華キャストだった「そろばんずく」

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』パンフレット (20)

出典:1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z「そろばんずく」パンフレット

映画『家族ゲーム』などをこしらえた森田芳光監督、そして飛ぶ鳥を落とす勢いのとんねるずさんが主演だった『そろばんずく』。出演者が豪華でしたね。

主演にとんねるずの石橋貴明さんと木梨憲武さん、相手役に安田成美さん。

脇を固めたのが小林薫さん、渡辺徹さん、名取裕子さん。

そして、大御所の小林桂樹さんと三木のり平さん。

さらに、石立鉄男さん、浅野ゆう子さん、イッセー尾形さん、ベンガルさん、木内みどりさん、財津和夫さんなど、それぞれの役者さんが場面ごとに作品を盛り上げていた様相。

 

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』パンフレット (19)

出典:1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z「そろばんずく」パンフレット

 

以下、個人的に気になった役者さんについて随想します。

小林薫さんの怪演!

個人的に一番見応えがあったのが小林薫さん。

ロン毛のカツラがインパクト強すぎ(笑)反則としか言いようがない。存在感強すぎ。出演者の中でパフォーマンスがずば抜けていましたね。

『そろばんずく』で天神を演じた小林薫さんみたいな役者さんが怪優だと思う昨今。

他作品における小林薫さんとのギャップを楽しんでいただきたい。

兎に角、ほんとにすごい役者さんだと切に思った次第。

 

http://nico.co.jp/artist/kaorukobayashi/

安田成美さん、恋に落ちて

『そろばんずく』では多くのコスプレを披露された安田成美さん。

この映画がきっかけで憲武さんと安田成美さんが色恋沙汰に発展したのは超有名な話。

しっかりとキスシーンもあったわけですから。

憲武さん、完全に惚れちゃいましたね(笑)

 

安田成美オフィシャルサイト

「脱・爽やか路線」の渡辺徹さん

『太陽にほえろ!』のラガー役、さらに歌もヒットさせた渡辺徹さん。とても爽やかな役者さんという印象がありましたが。

『そろばんずく』では天敵雄という妙な役どころを好演されていましたね。天神役の小林薫さんと一緒に梅づくし役だった安田成美さんの前で素っ裸を披露されたりと(笑)

というわけで、その後はバラエティ番組にも露出されていった渡辺徹さんだったわけです。

 

文学座 渡辺 徹

名取裕子さん、個性派女優として

「金八先生」に出演されていた頃と比べると、キャラを押し出してきた印象。『そろばんずく』では貴明さんとの妙なキスシーンを好演されたりと。名取裕子さんの柔らかそうな唇に貴明さんもおそらく虜になってしまったことでしょう。

というわけで、1987年には映画『吉原炎上』で見事に裸体を披露して濡れ場も熱演された名取裕子さんだったわけです。

 

名取裕子|人物|NHKアーカイブス
神奈川県出身。1977年、TBS朝のテレビ小説『おゆき』でヒロインデビュー。以降、映画、テレビを中心に数々の作品で活躍中。主な出演作品は、映画『序の舞』『吉原炎上』『時代屋の女房2』『異人たちとの夏』『マークスの山』、テレビ『法医学教室の事件ファイル』『早乙女千春の添乗報告書』『京都地検の女』シリーズなど。NHKでは大...

「W浅野」でブレイク前の浅野ゆう子さん

浅野温子さんとともに「W浅野」と呼ばれた浅野ゆう子さん。フジテレビドラマ『抱きしめたい!』とか観ていたなぁ。

https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4265/

 

というわけで、トレンディドラマを席巻する数年前に出演されたのが『そろばんずく』だったわけです。

 

 

 

石立鉄男さんもご出演!

石立鉄男さんと言えば、数多くの名作ドラマに出演された名俳優。

大映ドラマの『少女に何が起ったか』は特に強烈でしたね。「うすぎたねぇシンデレラ」とか(笑)

少女に何が起ったか(小泉今日子出演)|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル - TBS
小泉今日子主演。北海道の漁村で育った少女が母の死を機に、自分の出生の秘密を確かめるため上京。亡き父の娘である証を求めてピアニストを目指す。

 

フジテレビの月曜ドラマランド『どっきり天馬先生』シリーズも好きだったなぁ。BSフジで再放送してくれると有難い。

また、エースコックのわかめラーメンなど、CMでもお茶の間を和ませるエンターテイナー。

 

『そろばんずく』ではキャラ全開には程遠かったものの、やはり石立鉄男さんが出演されたことに当時のとんねるちゃんの勢いを改めて感じますね。

「すんごい怖いの…」とんねるず貴明が語る俳優・石立鉄男さん 「そりゃ慎吾さんも怒られるわ」
11日放送の「石橋貴明のたいむとんねる」(フジテレビ系)で、とんねるず・石橋貴明(57)が「パパと呼ばないで」や「少女に何が起こったか」などのドラマで印象的な…

 

兎に角、石立鉄男さんのヘアスタイルは個性的で素敵だったなぁ。

石立鉄男|人物|NHKアーカイブス
1942‐2007年、神奈川県出身。俳優座養成所、文学座座員を経て、舞台で活躍。テレビドラマ『おくさまは18歳』の主演で大ブレイクすると、ホームドラマに欠かせぬ存在としてテレビで存在感を発揮。トレードマークはアフロヘア。『パパと呼ばないで』『赤い』シリーズ、『噂の刑事トミーとマツ』『スチュワーデス物語』など、代表作多数...

おしん出演者も好演!

令和元年にNHK BSプレミアムで再放送されたNHK連続テレビ小説『おしん』。出演者であった津村鷹志(旧芸名・津村隆)さん、並樹史朗(旧芸名・並木史朗)さん、金田明夫さんは映画『そろばんずく』にも出演されていました。

津村鷹志(旧芸名・津村隆)さん

おしんと破談になった桜木徳男を好演された津村鷹志さん。

 

実は渡鬼にもゲスト出演されていました!

第3シリーズ第47回で医事課長・中野役、第7シリーズ第44回で荒川役でした。

 

というわけで、名脇役の津村鷹志さんは『そろばんずく』でも登場シーン・時間ともに比較的多めだった印象。

そろばんずく 津村隆 とんねるず

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

並樹史朗(旧芸名・並木史朗)さん

おしんの夫・竜三役だった並樹史朗(旧芸名・並木史朗)さん。

 

並樹史朗さんと言えば、週刊現代の「『おしん』の田中裕子を語ろう」のディープ・ピープルとして対談に参加されていましたね。

週刊現代「『おしん』の田中裕子を語ろう」で注目したい耐え忍ぶ美学
2019年4月よりNHK BSプレミアムで再放送された『おしん』が大きな話題となった令和元年。まさに「おしんドローム」が再来したかのような様相となりました。そして、青春期などを熱演された田中裕子さんのパフォーマンスに改めて大きな注目が集まり...

 

『そろばんずく』では、面と向き合わない会議シーンなどで好演されていました。

そろばんずく 並樹史朗

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

 

[特別講師] 並樹 史朗 | GLORY GROUP

金田明夫さん

おしんの姉・はるが恋焦がれていた製糸工場の平野役を好演された金田明夫さん。

 

『そろばんずく』では冒頭からよい味を醸し出していた印象。

そろばんずく 金田明夫

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

 

金田明夫プロフィール – 円企画

さらにあの方もご出演!

役者としてブレイクする前の椎名桔平さん、さりげなく豊原功補さんも『そろばんずく』に出演されていました。

お二人とも本当に息が長い役者さんですね。

椎名桔平さんも若かった

旧芸名「岩城正剛」として出演されていたのが椎名桔平さん。

 

そろばんずく 並樹史朗 椎名桔平 とんねるず

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

貴明さんの隣をしっかりとキープしていますね。

口の開きでやる気を醸し出しつつ、目が笑っていない椎名桔平さんだったわけです。

 

豊原功補さんのお姿も

豊原功補さんもとんねるちゃんの同僚役でした。

 

そろばんずく 椎名桔平 豊原功補

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

上の画像では最後方の中央ですね。ちなみに、最後方右が椎名桔平さん。

兎に角、さりげなかった豊原功補さんだったわけです。

 

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豊原功補が代表を務める、俳優・女優、演出家、アーティストのマネジメント及び、映像企画制作、演劇企画制作、音楽制作、出版等を手掛けるプロダクションです。所属タレント・クリエイターは豊原功補、福島マリコ、島村和秀。 ​

エンディングのクレジット抜粋

映画『そろばんずく』のメインキャストなどが背景画と化したエンディングのクレジット。

ここでは抜粋してご紹介します。

 

そろばんずく エンディングクレジット1

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

主役のとんねるちゃんはコンビということでクレジットは連名表示。

ということに起因しているのか、他の役者さんのクレジットも単独表示はなく。

 

そろばんずく エンディングクレジット2

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

小林薫さんであっても単独のクレジットではなく。

 

そろばんずく エンディングクレジット3

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

渡辺徹さん、名取裕子さんであってもクレジットは連名。

 

そろばんずく エンディングクレジット4

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

石立鉄男さんであっても6名連名クレジットのお一人となり。

 

そろばんずく エンディングクレジット5

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

背景画と化した名取裕子さん、そしてあんみつ姫のような安田成美さん。

かわいいですね。

 

そろばんずく エンディングクレジット6

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

不貞腐れたような天神役の小林薫さん。エンディングであっても役に入っているわけで。

他方、渡辺徹さんは何かと楽しそう(笑)

 

そろばんずく エンディングクレジット7

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

背景画と化した小林桂樹さんと三木のり平さんが仲良くご登場。無論、お二方のご出演で『そろばんずく』に箔がついたわけです。

 

そろばんずく エンディングクレジット8

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

大御所であってもクレジットは連名表示な『そろばんずく』。

 

そろばんずく エンディングクレジット11

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

名取裕子さん、凄く楽しそう。

両端の大御所の動きにも注目したい。小林桂樹さんの動きとか(笑)

三木のり平さんに気を使いつつも、エンディングをもっと楽しみたい渡辺徹さんの心情を察してしまう(笑)

いずれ嫁となる安田成美さんと憲武さんが公然とアツアツなのが非常に気になるところ。

 

そろばんずく エンディングクレジット12

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

左端におられた三木のり平さんが画面から見切れました(笑)

マイクパフォーマンスを展開する小林薫さん(笑)何を言っていたのか気になるところ。

いずれ嫁となる安田成美さんを繰り返し抱きしめる憲武さんのカツラを取り払う貴明さん。この辺のノリはとんねるちゃんらしい。

 

それにしても。西城秀樹さんのマネージャーだった秦野さんがこしらえた「A to Z」のクレジットが感慨深い。

木梨憲武、最後は涙…とんねるず“生みの親”秦野氏の豪快伝説― スポニチ

 

そろばんずく エンディングクレジット13

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

兎に角、渡辺徹さんと名取裕子さんがすっごく楽しそうなのが印象的。

それよりも小林薫さんのマイクパフォーマン、小林桂樹さんの運動がやっぱり気になる(笑)

まとめ

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』をご紹介しました。

当時、とんねるちゃんのファンだった森田芳光監督がこしらえたのが『そろばんずく』。インパクト第一主義というか、とんねるずのショータイムというか。とんねるちゃんらしい仕上がりで改めて観ても面白い。

ということで、やっぱり『そろばんずく』はあなどれない!

 

とんねるず主演、森田芳光監督作品『そろばんずく』パンフレット (8)

「そろばんずく」©1986 フジテレビジョン/ニッポン放送/A to Z

ちなみに、上記写真の貴明さん。口元がどことなく保毛田っぽいかも(笑)ほんとに懐かしいなぁ。

とんねるず関連情報

昨今のとんねるちゃん情報をご紹介します。

 

石橋貴明さん

 

 

石橋貴明のたいむとんねる - フジテレビ
石橋貴明のたいむとんねる - 番組情報。地球上に氾濫する最先端の情報は他の番組にお任せいたします。ゆっくりとしたひと時を過ごしたい時間。新たな刺激で急かされるより、大人の時間にゆったりとタイムスリップし、思い出話で一緒に笑いませんか。

 

 

木梨憲武さん

 

 

 

市村正親さんを挟んで、裏番組だった「みなさん」の憲武さんと渡鬼の角野卓造さんが同じカメラにおさまりました!何だか嬉しい。