
画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」の台詞と語り集です。雪の小面ちゃんによる実況・解説付き(笑)
第十一回「筑前守任官」の概要
秀吉は近江平定の戦功で小谷城がある浅井の旧領を与えられて12万石の大名になり、羽柴越前守秀吉と名乗ります。弟の小一郎は羽柴秀長に名を改めます。ねねは城主の奥方になりますが、お市の恨みが残る小谷城への入城を拒みます。そのため、秀吉はねねのために今浜に城を築きます。ねねは義母のなかを訪ねて今浜へ誘いますが、なかは中村を動きません。帰り道、2人の少年が秀吉の家来になりたいとねねについてきます。

クレジットタイトル
NHK『#おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
作:橋田壽賀子
音楽:坂田晃一
(中略)出演
1佐久間良子 2中村雅俊 3浅茅陽子 4尾藤イサオ 5せんだみつお
連名G
中G:1藤岡弘 2夏目雅子 3長山藍子
連名G
トメG:1赤木春恵 2前田吟 3泉ピン子 4西田敏行
(後略)#おんな太閤記クレジット タイトル pic.twitter.com/mS11SQIoyu— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) June 11, 2022
NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」クレジットタイトル、連名G
東てる美 宗近晴見
久米明 三條美紀石濱朗 新井みよ子
菅原ちね子 ガッツ石松
河原裕昌 三戸部スエ 大友町子
塚本一郎 赤崎ひかる 本間成一
斧沢安比沙 南友紀 志喜屋文 西尾麻里
#おんな太閤記クレジット— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) June 11, 2022
栄耀栄華と分不相応

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
おかか、戻った!(秀吉)
お帰りなさいませ(ねね)
出迎え、大儀じゃ(秀吉)

ほんと、秀吉が偉そう過ぎる(笑)
ああ、御帰りなされ。今日は随分早う下がられた。なんぞあったのか?(とも)
なんぞお気に召さぬことでもございましたか?とも様にあのような。御気を悪くなさいましょう。今日はお暑うございました。すぐ御湯を御使いになりますか?私の顔がどうかいたしましたか?(ねね)
見れば見るほどええ女子(おなご)じゃ。さすが、儂が惚れただけのことはある。(秀吉)
まあ!(ねね)
城持ち大名のおかかになっても決して見劣りせぬ顔じゃのう(秀吉)
(笑)見え透いた御世辞もいい加減になさいませ。あとが恐ろしゅうございます。何の御目当てで御座いますか?(ねね)

上げられたり下げられたりで。何だかジェットコースターみたいな秀吉だから(笑)ねねの気持ち、何となくわかる。
おかかは城持ち大名のおかかになる顔をして生まれてきたと見えるのう(秀吉)
戯言もいい加減になさいませ。私はそのような者になりたいと思いませぬ。さささ早うお召し替えを。ささ。(ねね)
それがなってしもうたのじゃ(秀吉)
さあ、御湯の支度をしてまいります(ねね)
おかか!本日、殿より近江平定の手柄により、小谷城主として浅井の旧領のうち、江北三郡、十二万石を賜ることになった!(秀吉)

これまでの秀吉の石高が不明なので何とも正確には言えないけど。兎に角、物凄い出世でない道理がない。
えっ!(ねね)
それをのう、誰よりも一番におかかに話したかったのよ。また、これを機にのう、木下という姓を羽柴と改めることにした。羽柴の羽は丹羽長秀殿から、柴は柴田勝家殿から、御二人を合わせたような武将になりたいとあやかって、丹羽、柴田様から一字ずつ頂いた。信長様も御許しくだされた。なお、筑前守(ちくぜんのかみ)という受領名(ずりょうめい)も頂戴した。今日から儂はのう、羽柴筑前守秀吉じゃ!弟の小一郎も秀長と改める。同様に弥兵衛殿も浅野長政と名乗る。羽柴筑前守秀吉。どうじゃ!如何にも十二万石の城持ち大名らしい名じゃろうが。(秀吉)

兎に角、改名ラッシュだった秀吉ファミリー
まことでございますか?(ねね)
おかか、姉様、儂の言うておることが信じられぬか?(秀吉)
い、いえ。でも、まさか御前様が十二万石の。(ねね)
(笑)この大法螺吹(おおぼらふ)きめがと思うておるのか?(秀吉)

西田敏行さんの台詞回しがよかった
いいえ(ねね)
無理もないわ。名もない百姓の倅(せがれ)で信長様の草履を懐で温めていた小者が。儂じゃとて思うてもみなかった。夢ではないかとのう。(秀吉)
あささん、あささん。やや様に。(とも)
あっ、はい!(あさ)
痛いか?痛かろう。まことじゃ。(秀吉)
御前様。おめでとうございます。(ねね)
うん(秀吉)

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御前様の御苦労が報いられて。御前様が一生懸命御働き遊ばした賜物で御座います。(ねね)

やたらと丁寧語みたいの台詞だからなおさら。佐久間良子さんにとって、この時のねねをどのように表現するか、苦心された可能性がありますね。
うん(秀吉)
それを信長様は御覧遊ばして。本当におめでとうございます。(ねね)
おかか。おかかにも随分辛い思いをさせたのう。よう辛抱してくれた。おかかのおかげじゃ。おかかがいてくれたからこそ、儂もここまで。(秀吉)
私は何の役も(ねね)
儂はのう、おかかを城持ち大名のおかかにしたかったのじゃ。おかかが儂のおかかになってくれた時から、そう心に決めておった。儂はおかかの為に一生懸命働いた。まことじゃ。(秀吉)
私は足軽組頭のおかか。御前様、御前様が好きな御勤めに励まれて、その日その日凌げれば、他に欲しい者は御座いませなんだ。それが幸せで御座いました。はあー、それがとうとう。(ねね)
大名のおかかでは不足か?(秀吉)
いいえ。私には分不相応で御座います。(ねね)

ねねは、やんわりと拒否ってんだけど(笑)秀吉が価値観を押し付けて止まない
何を言う!儂が見込んだおかかじゃぞ。儂のおかかじゃぞ!たとえ、百万石の大名のおかかになってもおかしゅうはないわ。

百万石どころか、天下人のおかかになるわけだから。ちょっとした史実的伏線を入れてきましたね。
御前様。うふふ。あっ、こうはしておられぬ!すぐ祝いの支度を。あの、小一郎、ああ。(ねね)
秀長じゃ(秀吉)
あっ、ひで、ひ?(ねね)
秀長!(秀吉)
秀長殿も弥助殿も、今日は骨休めじゃとおっしゃって魚(うお)釣りに。じき戻られましょう。すぐ祝いの支度を。今宵は思い存分、皆様と。(ねね)

橋田先生がチョイスした骨休みワードが「うお釣り」(笑)

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これからは、水仕事などはさせぬぞ。儂のおかかになって十三年、よう働いてきた手じゃ。楽をしてくれのう。好きなだけ、栄耀栄華もさせてやれる。ねね。(秀吉)

水仕事とか、橋田先生らしい台詞(笑)

第十一回で結婚十三年。一回につき約一・一八年経過してきた計算にも
いや(ねね)

はっきりと栄耀栄華を拒否ってんだけどね(笑)秀吉には通じない
ねねはのう、羽柴筑前守秀吉のおかかじゃぞ!(秀吉)
私は、栄耀栄華などしとうはありません。しとうてもどうしたらよいか分かりません。私は、今のまま、忙しく働きまわるのが性に合うております。(ねね)

橋田先生が重視したい、ねねの果報
相変わらず欲がないのう。おかか(笑)
儂などは微力で

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まあ、とも様とおあささから話を聞いた時はもう本当にびっくりした(やや)
いやあ、儂も耳を疑うてしもうたわ。いくら何でもいきなり十二万石の城持ち大名とはのう。(長政)
秀吉殿が御城主になってはおかしいか?(ねね)
えっ。いえいえ、秀吉殿の今まで尽くされた手柄を思えば(笑)いやあ、殊に浅井・朝倉攻めなどは秀吉殿御一人の御力で勝利を収めたようなもの。格別の御手柄じゃったけえ。(長政)
小谷城を落とした上にお市の方様まで無事、御救いなされたのじゃからのう(やや)
長政殿。そなたにもいろいろお世話になったそうな。秀吉殿が御出世なされたのもそなたたちのおかげ。厚くお礼を言います。(ねね)
あ、いやいや。儂などは微力で。(長政)

そうだよねー。第七回「上洛への道」では、クレジットタイトルに名を連ねていながら劇中には登場していない様相だったし。第八回「小豆袋」では、クライマックスにおける秀吉隊の殿(しんがり)の砲戦にてかろうじて登場。
さあさ奥へ。秀長殿も弥助殿ももう。さあ、すぐ祝いの支度をしますゆえ。(ねね)
それでは早速、祝いの言葉なども(笑、長政)
御姉様はおかしな御方じゃ。働いている時が一番、生き生きと美しゅう見える(笑)よほど貧乏性の生まれと見えるわ。(やや)
人はのう、息災で働けるうちが花じゃ。有難いと思って働かねば罰が当たります(ねね)

ほんと、橋田先生らしい台詞。同じようなことが渡鬼の台詞で表現されていまし。
内輪だけの心ばかりの祝い

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今宵はのう、内輪だけの心ばかりの祝いじゃ。遠慮のうやってくれ(笑、秀吉)小六殿以下、あちらの面々は、稲葉山攻めの時から儂と生死を共にしてくれた剛の者たちで御座います。彼らの働き無くば、今日の秀吉はありませなんだ。特に、小六殿は儂の右腕になってもろうて。儂はよい友に恵まれました。(秀吉)

功労者リレー。まずは第一走者の秀吉から第二走者の小六へバトンパス
いやいや、儂はただ我武者羅だけが取り柄でのう。何と言うても、秀吉殿を陰から支えてこられたのは秀長殿じゃ。温かい御人柄、部下からの人望も厚い。秀吉殿の補佐役は何と言っても秀長殿じゃ。実(まこと)に良い弟御をお持ちじゃ。(小六)

続いて、第二走者の小六が第三走者の秀長へバトンパス
いやあ、儂はまだ兄者にくっついてきただけのことじゃ。実(まこと)の補佐役は義姉様よ。兄者のことは誰よりもよう御存じで、兄者が存分に働けるよう、しっかりと留守を守っておいでじゃった。今日の兄者があるのは、ひとえに義姉様のおかげよ。疎かに思うたら罰が当たるわ。儂が許さん!(秀長)

そして、第三走者の秀長がアンカーのねねへバトンパス
秀長殿(ねね)
分かっておる!大事なおかかじゃ。儂はのう、おかかの為に偉うなりたかったのよ。粗末にするはずがないわ。(秀吉)

道理がないが欲しかったところ
長政殿もよう働いてくだされた。今までは信長様から御預りする与力じゃったが、これからは羽柴筑前守秀吉の家臣として信長様より頂戴し、それ相応に遇さねばならんのう。(秀吉)

長政については上述した通り(笑)
とうとう秀吉殿の御家来になるのか(やや)

前回当たりから、ややが秀吉を受け入れている描写が目立ってきた様相にも。ついこの間までは、ややの秀吉批判が顕著だったのに。いよいよ、うるさいややは終焉を迎えていたのでしょうか。
それは重畳(ちょうじょう)じゃ。長政殿は浅野の家を継ぐ御人。まあ、今後ともよろしゅう御引立て願いたい。(又右衛門)
小六殿、又十郎殿以下の面々も、羽柴家の家臣として厚く遇さねばのう(秀吉)

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いやあ、殿!わしゃ、禄などは要りませんぞ。わしゃ、秀吉殿を見込んでついてきた。のう、弥兵衛も言え!(又十郎)
殿の出世は儂らの出世や!(弥五六)

正しくは「弥五六も言え!」だよね(笑)これって、河原さぶさんが単純に台詞を間違ったのか、それとも脚本の記載ミスなのか??弥兵衛役・尾藤イサオさんの何処となく微妙の面相が気にならない道理がない(笑)兎に角、監督が止めなかったからね。演者の人たちも内心は呆れてたのかも(笑)

それに加えて、河原さぶさんのカメラ目線とか(笑)
そうじゃ!(又十郎)
いやいや、秀吉殿はええ御家臣を持たれて果報な御方じゃ。それに立派な御兄弟もおられる。羽柴家は万々歳じゃ。(又右衛門)
嘉助殿がおられたら、さぞ御喜びじゃろうにのう(こひ)
嘉助さが岐阜に戻ったらびっくりするじゃろう。ああ、おっ母さやきいにも早う知らせてやりたいわ。(とも)
そのうち私がご挨拶に(やや)
藤吉郎も、もう十二万石の大名じゃ。おっ母さを呼んで楽をさせてあげてくだされ。(とも)
はい。そのつもりでおります。(ねね)
来るものか、あの強情張りが(秀吉)
御前様(ねね)
(笑)さあさあ、今宵は無礼講じゃ。遠慮のうやってくれ(秀吉)
肩身の狭い思い

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小谷攻めには三年もかかわったわ。長かったのう。死ぬかと思うことも、何度かあったが、まあどっちにしても戦は地獄よ。(嘉助)
じゃから侍などやめて、さっさと帰ってくればええんじゃ(きい)
いや、わしゃ、ひるみはせんぞ。のう。いいか、小谷が落ちたのも義兄様の御手柄よ。きっと義兄様はまた御出世なさる。そしたら儂も、少しは御引き立てに預かろう。きい、今度こそな、御前とおっ母様を呼び寄せられる。楽しみにしていてくれ。へへ。(嘉助)
何が出世じゃ。藤吉郎はお市様の御子、万福丸様を串刺しにして、晒し者にしたというではないか。世間では鬼じゃと言うておる。おかげで、母親の儂は肩身の狭い思いをしとるのじゃ。情けないわ。(なか)
おっ母様。おっ母様は秀吉殿をそないな御方と思うておいでか?うん?あれはのう、あれは、信長様の御命令で他の者が。おお!秀吉殿はなあ、何とかして万福丸様をお助けしようとなされたんじゃ。じゃがなあ、信長様の御命令に背いたと知れたら、秀吉殿の御命の方が危ない。じゃによって、小六殿という御方が。仕方がなかったんじゃ。(嘉助)

じゃがのう、ではなく

じゃによって、って(笑)
誰がやっても同じことじゃ。殿様の命令とあれば、罪もない子供を殺す。それが侍というものか!悍(おぞ)ましいわい。(なか)
じゃから、おっ母様、あれはのう(嘉助)
それで出世して何がええんじゃ。何が嬉しいんじゃ。わしゃ、もうたくさんじゃ。藤吉郎の話などせんでくれ。(なか)
小谷だけは嫌

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疲れたろう(秀吉)
まあ、起きておいででしたか(ねね)
眠れぬ(秀吉)
ではお酒を(ねね)
ああ(秀吉)
おかか、よう生きてここまで来たのう(秀吉)
私も御前様の為に、幾度、身の縮む思いをさせられましたことか(ねね)
儂は運がよかった。おかかが運を持ってきてくれたのかもしれんのう。(秀吉)
いいえ。運は御自分の手で掴む者じゃ。御前様はそう言っておられました。その通りでございます。御前様が一生懸命御勤めに励まれたから。(ねね)
儂はのう、言わば成り上がり者じゃ。丹羽殿や柴田殿とは違う。これからも、いやこれからは、以前にも増して風当たりが強うなろう。その中を生きていかねばならん。儂の誠の味方はのう、儂のことを誰よりもよう分かってくれる、おかかと秀長だけじゃ。それだけは忘れずにいてくれ。(秀吉)

羽柴の姓が成り上がり者感を二割増し以上にしている様相にも
はい(ねね)
これからは家臣も増えよう。また領内の人々のことも考えねばならん。ええ城主様じゃと言われるようにならねばのう。おかかの務めも大変になるのう。(秀吉)
(笑)私も足軽の娘。御城主のおかかがどのようなものであるか、どうしたらよいか、さっぱり見当がつきませぬ。でも、私のできるだけのことは。(ねね)
その気持ちさえあれば儂のおかかじゃ、立派に務めてくれるわ。まず小谷へ移らねば。それから家臣を募る。皆大事じゃ。(秀吉)
小谷へ移るのでございますか?(ねね)
儂は小谷城主じゃ(秀吉)
小谷じゃなければなりませぬか?(ねね)
うん?(秀吉)
小谷だけは嫌でございます。行きとうありませぬ。行かれませぬ。(ねね)
おかか?(秀吉)
あの御城では、浅井久政様、長政様が御自害遊ばされました。万福丸様も。お市様の御恨みも籠っておいでになりましょう。そのような所へとても。つろうございます。私のわがままは分かっております。でも、小谷だけは嫌でございます。それでも行けと仰るなら私。(ねね)

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もういい。分かった。分かった。(秀吉)

小谷への移住を嫌がらない道理がない。ねねに限ったことではなく。
御機嫌、麗しくなく

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おお、姫様方には御機嫌よろしゅう。今日はこの秀吉、姫様方に鞠をもって参りましたぞ。ささ、お江様。お初様。お茶々様。(秀吉)

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浅井三姉妹が順番に鞠を地面にほっぽり投げた一幕(笑)
お市様には御機嫌麗しゅう(秀吉)
お茶々、早うお上がりなされ(お市)
はい(茶々)
そなた、ようお市の方様の御顔が見られるのう!(くう)

確かに(笑)

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儂を恨んでいるのか

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この御城では暮らしとうはございませぬ(お市)
(笑)何を言う。儂の元を離れて何処に行くところがあるんじゃ。(信長)
清州へ参りとうございます(お市)
清州へ?(信長)
清州は私が大きゅうなった所。今は叔父上、信包殿が居られます。叔父上のおそばなら、姫たちと心安らかに余生を送ることもできましょう。(お市)
市、儂を恨んでいるのか?(信長)

恨まれていないとでも思っていたのか??(笑)

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どうか、お聞き届けくださりませ(お市)
新しい城を建てる

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おかか、戻った!(秀吉)
お帰りなさいませ(やや)
おお、やや殿(秀吉)
お帰りなさいまし(ねね)
ちょうどよかった。話がある。ささ。(秀吉)
おかか。おかかは小谷へ行かずともええ。何も嫌じゃというものを無理にとは言わん。(秀吉)
いいえ。御姉様は秀吉殿のおかかじゃ。秀吉殿が行かれる所へならどこへでも。のう、御姉様?(やや)
いや、御姉様のお気持ちはよう分かります。普通の女子(おなご)なら城主のおかかになれるとなれば、有頂天になってどんな御城へでも乗り込めましょう。それができぬとおしゃるのは、如何にも義姉様らしい。(秀長)
儂じゃとて、行かずに済むなら行きとうはないわ。儂とて同じじゃ。お市様にはすっかり疎まれてしもうた。お市様の恨みの深さを思うたら、小谷を居城にするなど、とてもできぬわ。(秀吉)

信長に続いて。秀吉にも、お市の恨みを語らせた橋田先生。
お市様は信長様をも許してはおられぬのではないかのう。何でも、清州へ行かれるそうではないか。(嘉助)
清州へ?(ねね)
お市様にとっては懐かしい清州で、姫様たちと余生を送られるそうな(秀吉)
せっかく岐阜へ戻られて、信長様は大層お喜びだと伺いましたのに(ねね)
不運な御人よ(秀長)
姫様たちの為に、小谷を落ちられたのであろうが、死ぬよりも辛い思いをしておられるのであろうな(やや)

このあたりも、くどいくらい橋田先生が印象付けてきてるよね。後々の史実的伏線にも繋がりそうだし。
おかかは岐阜におれ。そのうち新しい城を建てる。そこへ、おかかを迎えてやる。それまでのう。(秀吉)
御城?(ねね)
うん。今浜というところに築城することにした。琵琶湖のほとりで風光明美な地じゃ。おかかもきっと気に入ろう。信長様もお許しくだされた。(秀吉)
とんでもございません。私の為にそのような。(ねね)

ねねの為ではない(笑)まだ天下人の秀吉ではないので
おかかのために城の一つや二つ、何でもないわ(秀吉)
いいえ、なりませぬ。新しい城を建てるなど。また、おからかいか?(ねね)

確かに橋田先生が表現する秀吉って。ねねを妙にからかってきた様相にも。
おかか(秀吉)
そうたやすく、城ができるわけがございませぬ。何処からそのような銭が。(ねね)
(笑)侍大将のおかかがやりくりするのではないわ。十二万石がある。領民が居る。全ての領民に賦役を課せば、たちまち出来上がるわ。(秀吉)
それでは領民を働かせて?(やや)
ああ、平等にのう(秀吉)
そんなひどいことを(ねね)
おかかあ、領民の務めじゃ。その代わり、儂は領民たちを守ってやる。相見互い(あいみたがい)。昔からそうなっておるのじゃ。(秀吉)
小谷には立派な御城がございます。私は、ここの暮らしで十分でございます。(ねね)
はて、困ったのう(秀吉)
(笑、秀長)
おかかには城持ち大名のおかかがどのようなものか、とんと合点がいかぬと見えるのう。秀長、かみ砕いてわかるように話してやれ。(秀長)

橋田先生からの丁寧な長台詞予告(笑)
ああ。義姉様の為に建てるのではありません。小谷は山城。山高く霧深く、難攻不落で聞こえておりますが、人の往来には難渋いたしております。往来の便が悪うては、商いもままならず、従って商人(あきんど)も集まりません。それでは町は栄えません。その点、今浜なら、船の便はよく、京との往来も容易です。また、守るにしても攻めるにしても、小谷に比べて地の利は得ております。(秀長)
何じゃ、御姉様の為じゃなどと、すっかり秀吉殿に乗せられてしもうたわ。(やや)
いや、おかかのためが一番の理由じゃ(笑、秀吉)
いつもその手で御姉様は誤魔化されておいでじゃ(やや)
やや(ねね)
うん、いや、あの、ともかくな、城ができたら、きいも呼べる。流石のおっ母様も出てこられよう。のう?(嘉助)

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それまで儂は小谷におる(秀吉)
やはり小谷に行かれますか(ねね)
十二万石の城持ち大名になる為には、せねばならぬことが山ほどある。家臣を集めねばのう。おかかに仕える女子(おなご)どもも探さねば。(秀吉)
いいえ。私にはあささんさえいてくれれば。(ねね)

城持ち大名のおかかについて。妙に想像できない、ねねを橋田先生が描写して止まない様相。城持ちって凄いことだからね。漠然としてでも多くの人が必要になることくらいは想像できそうだけど。ちょっと違和感あり。
そうはいかんのじゃ。城に住むにはそれなりの体裁がいる。奥を取り仕切るにはそれ相応ののう。(秀吉)
でも私は(ねね)
ええい、儂に任せておけ!城ができたら分かるわ(秀吉)
それでは私も小谷へは行かずとも?(やや)
長政殿は小谷じゃ。ついて行かれるならば行かれたらよい。のう。(秀吉)
私は行かず、とも

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
私は行かずともええじゃろう?そのような山の中で暮らしては坊たちがかわいそうじゃ(とも)
小谷では親子四人、一緒じゃ(弥助)
ねねさが岐阜に残られるのならその方がええ。ねねさは坊たちを慈しんでくださる。離れ離れになっては坊たちもねねさもかわいそうじゃ。今浜は湖のほとり。美しい所と聞いた。どのような城ができるのじゃろう?楽しみじゃ(笑、とも)

ともに関しては、ねねの居候というか御荷物になっている方が楽ではない道理がない。ねねが居なくなったら、御荷物ライフを満喫できなくなるからね(笑)
おすぎとおさだ

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
御城での暮らしはどうなのじゃ?小谷は立派な御城じゃそうな。(きい)
小谷へは訳があって私は。新しい城ができましたら。(ねね)
御城を造るのか?(きい)
はい。小谷は山城ゆえ、何かと不都合じゃとおっしゃって。(ねね)
大名になったと思うたら。野宿して木綿針を売り歩いていた時のことなど忘れてしもうて。(なか)

あまり、築城とは関係ないような(笑)橋田先生が単純に語らせたかったのかな
秀吉殿には秀吉殿の御考えがあってのこと。あ、つきましては無事、築城がなりましたら是非お母様に。(ねね)
いや、儂は行かぬ(ねね)
いえ、今日はそのことを御願いに(ねね)
(笑)そりゃ無駄じゃ(なか)
おっ母さあ(きい)
いや、儂の気持ちは変わりゃあせん。なんぼ、城主になったからとて明日のことは分からん。現に小谷の前の殿様は、戦に負けて自害なされたというではないか。それが戦国というものよのう。(なか)

なかの言い分が一貫して止まない様相(笑)キャラがはっきりしているので、書き手としては楽かもね。
おなかさ。秀吉殿の奥方がお見えになってるそうな。ちょっとええかなも。(すぎ)
おすぎさか?(なか)
おさださも一緒だ(すぎ)
ああ、またイチとトラのことじゃな。そのことなら断る!(なか)
冷たいこと言わずと。あっ、この御方が秀吉殿の。(すぎ)
もう駄目じゃ!もう儂は反対じゃ。息子を侍にしたいなどとは正気の沙汰ではないわ!(なか)

孤軍奮闘の様相を呈した、なか(笑)
イチ!トラ!(すぎ)
これ!(なか)
これが倅(せがれ)のイチでござります(すぎ)
倅のトラにございます(さだ)
この子を秀吉殿の御家来に。奥方様から秀吉殿に御口添え願いとうございます。(すぎ)
うちの倅も是非(さだ)
まだ、子供ではありませぬか(ねね)
小そうても、力では大人に引けは取りませぬ。飯じゃとて大人の何倍も。(さだ)
我らの細腕ではとても(すぎ)
口減らしなら他にも奉公の道もあろうが。何も侍にさせんでも。(なか)

このあたりはNHKおしんと何となくかぶってきますね
儂は侍になりたいのじゃ!(トラ)
儂もじゃ!(イチ)
侍のどこがええのじゃ。何も知らずと。(なか)
戦が好きじゃ!(トラ)

戦が好きって、人殺しが好きに類似するよね
畑をせんでええのがええ!(イチ)
侍なら秀吉殿のように偉うもなれる。儂は偉うなりたい!(トラ)
精出して働く!連れてってくれ!(イチ)
ならぬ!ならんならん(なか)
うちは八人の子持ちじゃ。腹いっぱい食わせることもできぬ。何度か奉公には出したがなも、大食らいで皆帰されてきた。(すぎ)

おすぎ、無駄にこしらえちゃったのかな(笑)医療とは無縁の時代、当時は乳幼児の死亡リスクが高かったからね。
帰されたのではないわ。出てきたんじゃ。(イチ)
トラは何処へ行っても喧嘩しおって。腕っぷしが強すぎて手に負えんのじゃ。侍なら何とか。(さだ)
母親のくせに、大事な倅をようも。本当に子供がかわいいなら侍などさせぬ方がええと、あれほど言うたではないか!(なか)

なかというか、橋田先生の持論だけ突っ走っている様相にも
このとおりじゃ!(すぎ)
いやもう帰れ帰れ!帰れ!このとおりじゃ。藤吉郎のおかげでこっちは迷惑しとるわ。(なか)
私は秀吉殿のおかかじゃが、御家来衆のことはようわかりません。せっかくおいでくだされたが、御役には立ちませぬ。許してくだされ。なあ?(ねね)
末頼もしいわ

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何処へ行かれる。私についてきても私は知らぬ。(ねね)
御方様、追い払いましょうか?(従者)
(笑)無駄じゃ。追い払っても諦める子ではないわ。なかなかの根性よ。末頼もしいわ。(ねね)

橋田先生、台詞に説得力が足りない。だって、ねねの後をついてきてるだけでしょ。それで「末頼もしい」とか盛り過ぎ(笑)
ねねさも物好きな。八杯目じゃぞ。(とも)

八杯は食らい過ぎ。少しは遠慮しろ。
よいよい、食べ盛りじゃ。ほれ。(ねね)

橋田先生としては、清正と正則のことを好意的に描写したい様相だね。義昭とは大違い(笑)
ああ、御苦労じゃなあ。ちょっと、おじゃれ。秀吉殿が起きられた。御挨拶なされ。(ねね)
お話しいたしましたイチとトラでございます(ねね)
うん。侍になりたいのか?(秀吉)
はい!(イチとトラ)
うん。よかろう。儂と一緒に小谷へ来い。(秀吉)
お許しが出たのじゃ。小谷の御城でしっかりお働きなされ。案ずることはない。ひもじい思いはさせぬ。よいな?(ねね)
ありがとうございます!(イチとトラ)
おかかの頼みじゃけえ、連れてはいくが、あれではどうにもならんのう(笑、秀吉)
お腹一杯食べたいだけの士官で御座いましょう。良い子たちでございます。お目にかけてくだされ。(ねね)
うん。あっ。(秀吉)
あっはいはい(ねね)
城主のおかかが想像できない

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
(笑)そういえば、儂もあの子らと同じような時があった。昔の儂を見てるようじゃのう(笑)他人事とは思えぬわ。(秀吉)
信長様は、度々御出陣あそばすと伺いましたのに、御前様は御供なさらずともよろしいのでございますか?(ねね)
うん。まずは領内を治めるのが急務じゃ。信長様も御承知くだされておる。もう毎日、人に会うだけでもう大事(おおごと)じゃ。家臣もだいぶ集まった。ほとんどが浅井に仕えていた者たちじゃ。小谷攻めの折、儂が説得して織田方に内応した者もおる。なかなかの人物じゃ。(秀吉)

具体的の人命を端折ったね(笑)
御前様は尾張の御方なのに、近江の御方を御家臣になされますのか(ねね)
(笑)そのようなこと言うてはおられぬわ。儂には子飼いの家臣というものが居らん。これから家臣を集めるとなると、近江では城主になった以上、近江で募るよりほかはない。祝いに来る者、訴えに来る者(笑)様々な人でのう、あの小谷の山城も賑おうておるわ(笑)疲れた。(秀吉)
私のわがままで御世話もできませず(ねね)
よいよい。戦に出ていると思えば何でもないわ。おかかはここで待っておればええ。ゆっくりできるのも今のうちだけかもしれんぞ。あっそうじゃ。おかか。気に入った女子(おなご)が居ったらのう、侍女にしたらいい。秀長も集めてくれてはおるが、おかかも心掛けておいたらええ。のう。(秀吉)
侍女など、とんでもございませぬ(ねね)
おかか。城主のおかかというものはのう(秀吉)
たとえ何になろうと、あささんさえいてくだされば。今までもそうしてまいりました。(ねね)

台詞をリピートさせるよね(笑)橋田先生、ほんとくどい
おかか(秀吉)
天正二年元旦~天正三年の春

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
羽柴筑前守秀吉殿(信長の近習A)
殿には御尊顔麗しく、新年の御挨拶を申し上げます(秀吉)

麗しく(笑)
うむ(信長)
申し上げます。只今入りました伝令の口上によれば、越前の一向一揆、蜂起いたしました由にございます!(信長の近習B)
何!(信長)

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」

何処の城の映像だろうね?松本城とか??

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
ここでは長い間お世話になった。名残惜しいのう。(ねね)
本当に。御城の厨(くりや)はどんなふうでございましょう?(あさ)
人も多くなるそうな。忙しゅうなりましょう。(ねね)
ああ、間に合うてよかった。お母様が弁当をこしらえてくだされた。(やや)

ここまで「道理がない」とかに押されっぱなしだったから(笑)「こしらえる」が表現されると、やっぱりうれしい。
まあ(ねね)
私たちも一緒に立ちたかったが、家がまだ片付かぬ。後から行く。道中、気を付けてのう。(やや)
それでは、あちらでのう(ねね)
うん(やや)
そろそろ行かれた方がよろしいのではないか?(やや)
秀吉殿が迎えの者をよこしてくださるそうな。とも様には坊がおられる故、馬か何か用意してくださるのであろう。(ねね)

橋田先生がまた、白々しいんだよね(笑)
御方様(みつ)

ねねの敬称をバージョンアップさせたね
おみつ殿!(ねね)
本日はおめでとうございます。お迎えに参りました。みつが御供をさせていただきます。(みつ)
よう来てくだされた。おみつ殿が道案内なら安心じゃ。(ねね)

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第八回「小豆袋」

京へのツアコンにもなってもらったからね。帰りは放置プレーだったけど(笑)
では、とも様を(あさ)
これをお召し遊ばすよう、秀吉様から下されました。すぐお召し替えなされてくださいまし。(みつ)

みつの口調を徹底して畏(かしこ)まらせて止まないよね(笑)渡鬼で言えば、佐枝みたい(第4シリーズを除く)
まあ!(ねね)
何と見事な(やや)
あ、これを着て旅をしろと?(ねね)
はい。秀吉様の仰せにございます。(みつ)
(笑)まさか。このような物着たら歩けぬわ。(ねね)
輿が待っております(みつ)
輿?何事じゃ、これは??(ねね)
今浜城主御内室、ねね様の輿と御供にございます(みつ)

映画『セーラー服と機関銃』で、大勢の組員を目高組が抱えているように見えた冒頭の情景を何となく思い出したりと。あれって、お金で動員しただけで、実際の構成員は四人しかいなかったんだよね。
これに乗れというのか?まあ、仰々しい。私は歩いていくわ。輿など乗らずとも歩けるわ。そのための二本の脚じゃ!(ねね)

橋田先生、アピールするなあ(笑)ねねの特異体質
御姉様!(やや)

こうしたリアクションの方が常識的
あっ、坊たちに(ねね)

輿の座を御荷物親子に譲る(笑)
御方様(みつ)

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」

いや、佐久間良子さんには何の落ち度もない。ただ、脚本がオーバーだっただけ(笑)

ほんと、どうでもいいけど。収録スタジオの奥行きが結構あるのが気になるよね。広い。

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十一回「筑前守任官」
次回に続く
再放送当日、渡隅ツイート抜粋

週刊おんな太閤記随想、第十一回「筑前守任官」
第十一回「筑前守任官」について、渡隅版のまとめ記事

「気にならない道理がない台詞と語り」綴り
「気にならない道理がない台詞と語り」の各回まとめ記事
